● CMOS LSI設計の基礎

 CMOS回路はその特長である低消費電力、広い動作マージンそして高集積化の点が他のテクノロジーに比べて優れていたので、CPU、メモリ、システムLSI、他に広く適用されてきました。
 微細化が進み、チップ当りのシステムが大規模化し、アーキテクチュア設計、機能設計、論理設計、電子回路設計、レイアウト設計も複雑になっています。そして設計業務の分担の細分化が進み、一人の設計者の設計範囲が限定的、断片的になっています。このため自分の分担以外に他の設計業務の要点もよく理解していないと連携した質の高い設計ができなくなっています。

 本テキストは論理設計後の実践で必要な共通の設計基礎技術である論理回路とCMOS回路の関係、MOS FETの基本動作、CMOS電子回路の性能設計について端的に記述してあります。
 そしてCMOS LSI設計業務に携わっていなかった人がCMOS回路の基礎を理解するための短期間研修用に、また2〜3年程設計に携わった人が全体の設計業務を更に深く理解するための短期間研修用に作成してあります。

 研修期間は2〜3日間を考慮して作成してあります。

テキスト目次

[Ⅰ] デジタル回路の基礎

 1.電子回路
 2.MOS FETスイッチとCMOS回路の特長
 3.論理式と定理
 4.基本論理ゲート
 5.組み合わせ論理回路の例
 6.フリップフロップとラッチ
 7.順序論理回路の機能の例

[Ⅱ] MOS FET

 1.MOSトランジスタの構造
 2.MOS容量の理論式
 3.MOS構造のシリコンの表面状態
 4.MOS FETの容量
 5.チャネルドーピングとスレショルド電圧
 6.MOS FETのスレショルド電圧
 7.MOS FETの動作と特性
 8.CMOS回路の素子分離と電源接続

[Ⅲ] MOS FETの理論式と補正

 1.MOS FETの基本の理論式
 2.MOS FETのチャネル長変調
 3.基板バイアス効果
 4.キャリア移動度の電圧依存性

[Ⅳ] 電子回路特性 

 1.LSI設計工程と電子回路設計
 2.電子回路の動作シミュレーション
 3.受動回路と能動回路
 4.CMOS LSIを構成する素子
 5.CMOS 回路の直流(DC)特性
 6.CMOS回路のスイッチング特性
 7.電力消費
 8.入力回路の過渡応答